脂質の役割
脂質と聞くと「太る」というイメージが強いですよね。
テレビでも太っちょ猫ちゃんが特集されていたり、ダイエット目的のキャットフードも多く出回っているのででもなるべく脂質が少ないものを与えがちですが、脂質は猫が活発に活動する上で必要なエネルギー源です。
体外から脂質を摂取すると、脳や筋肉に取り込まれてエネルギー源として活動に使われます。このとき余った脂質は脂肪として蓄えられ、空腹時など必要な時に分解して消費されます。
脂質の過剰摂取と欠乏
脂質を余分に与えてしまうと肥満の原因になります。
特に運動が苦手な猫ちゃんは肥満になりやすく、肥満が進むと手足を支える骨などに負担がかかり、関節症や脱臼、ヘルニアなどを発症しやすくなります。
また脂質を取り過ぎると内臓にも脂肪がつくことで内蔵機能が低下し病気になりやすくなります。
逆に脂質が不足すると毛艶が悪くなったり皮膚トラブルが起きやすくなります。
また繁殖機能の低下といった影響もあるので、過度に脂質を控えることはよくありません。
脂質の必要量
AAFCO(米国飼料検査官協会)では脂質の割合を最低9.0%以上と定めています。
このため市販のキャットフードの多くは、脂質量が15~20%程度になるように作られています。
必須脂肪酸
脂質は多くの脂肪酸が組み合わさってできていますが、このうち体内で生成することのできないために食事から摂取するしかない脂肪酸を必須脂肪酸といいます。
リノール酸
リノール酸は、オメガ-6脂肪酸を代表する必須脂肪酸で植物油に多く含まれています。 皮膚からの水分喪失を防ぐなど、皮膚のバリア機能に欠かせない成分です。
α-リノレン酸
α-リノレン酸はオメガ-3脂肪酸のDHAやEPAを生産する原料になります。
アラキドン酸
アラキドン酸は、主に肉やレバー、魚などの動物性脂肪の中に多く含まれています。
アラキド酸が不足すると、繁殖機能の低下や毛艶が悪くなるといった影響が現れます。
Writer:K.K